統一サービスブランド「カースタ」
立ち上げへの挑戦

小山 梨香

RIKA OYAMA
カーライフ部門 統括部 マーケティング課
※プロジェクト当時
2018年4月、伊藤忠エネクスグループとして初の試みとなる統一サービスブランド、「カーライフスタジアム(以後、カースタ)」が誕生しました。
BtoBの商売が基本である商社が、なぜBtoC向けのブランド構築を試みたのでしょうか。
2015年のブランド構想発足当時から、メインの担当としてプロジェクトに関わっていた小山さんに話を聞きました。

エピソード1:入社後、いきなり任された「ブランド構築」

小山:「会社で立ち上げるエンドユーザー向けのブランド構築をやってもらうから」伊藤忠エネクスに入社した直後の2015年4月、所属していた部署の上司に言われた言葉が今でも忘れられません(笑)。配属されたカーライフ部門マーケティング課で初めて任された仕事がこのカースタというブランド構築でした。当時の自分は会社のことも専門的な領域の知識もなく、そんな重要な仕事に新入社員である私が関わっても大丈夫なのだろうか、という不安が大きく、思わず「なんで私なんですか?」と聞き返したんです。

そうしたら、「この部署で一番消費者に近いからだよ。専門性や経験は大事だけど、そこを深めるほど消費者や一般的な感覚から乖離してしまう。だから、まだ何色にも染まっていない小山に消費者の立場として、ブランド構築をやってもらうのが一番良いと思ってる。」と当時の上司から言われたのを今でも覚えています。
それまでは、早く仕事を覚えて石油業界の知識も深めて…と思っていたので、良い意味で染まらないことの重要性について考えさせられましたね。当時、伊藤忠エネクスでは子会社を通じて消費者に対しレンタカーや車関連商材の提供をしていましたが、サービス名称やブランドがバラバラで、プロモーションも非効率でした。

インタビューに答える小山 梨香さんの写真

   そこで、今あるサービスを統一して新たにサービスブランドを立ち上げることで、より深く消費者にアプローチしていく、というミッションのもと、ブランド構築を開始しました。

エピソード2:「顧客は誰か」を問い続ける

小山:「カースタ」というブランド名と、ブランドを立ち上げる、ということは決まっていましたが、それ以外のことは何も決まっていない状況でした。社会福祉系の学科を卒業した私にとって、マーケティングやブランディングは未知の領域だったので、書籍を読んだりセミナーに行ったり、ひたすら勉強しました。また勉強と同時に行っていたのが、「徹底して消費者と向き合う」ということでした。
同じブランド構築チームであり、同じ課の先輩からのアドバイスで、手元にあるデータとマーケティングフレームワークを用いてセグメントやターゲティングを実施し、ペルソナとして可能な限り顧客を可視化することと、商品やサービスを販売する現場であるガソリンスタンドにも頻繁に足を運びました。消費者へのアンケート取りをし、自分も消費者としての視点で物事を考えることで、様々な側面からブランディングを考えることが出来たと思います。

「カースタ」ブランドの構成要素

エピソード3:人を説得して動いてもらうことの難しさ

小山:わたしがブランド構築に携わって1年半後の2016年の10月、様々な人の様々な想いが詰まった「カースタ」が完成しました。ブランドマニュアルや運用マニュアルも準備し、ブランドの必要性・消費者と向き合うことの重要性を理解してもらうために、社員向けのワークショップも頻繁に開催し、インナーブランディングを展開していきました。

カースタ目次イメージ
カースタ目次イメージ

細かくまとめ上げられたマニュアルも小山がゼロから制作に携わった

   しかし、インナーブランディング当初は社員にすら、ブランドの必要性・重要性を理解してもらえないことが多かったです。もちろん、BtoCの商売を会社としてやってこなかったことも関係していると思いますが、ワークショップを開催しても、全く意見が出てこなかったりして、、、
より近い距離にいるはずの社員に理解してもらえないのに、一般消費者に想いは届くのだろうか、という不安と常に隣り合わせでしたね。

パソコン作業をする小山さん

エピソード4:変わっていった社内の空気

小山:不安を感じながらもブランド展開が始まり、最初にリブランドを行ったのがカースタレンタカーでした。
フランチャイズも合わせて加盟店が400ほどあったので、看板の切り替えだったり、店舗で使用するロゴやデザインのチェックだったりと、運用のほうで業務に忙殺されていたのを覚えています。

その中で嬉しい出来事もありました。 これまでブランディングやリブランドに懐疑的だった社員がブランド加盟店や消費者からのポジティブな反応を肌で感じることで、カースタに賛同してくれるようになったんです。これを機に、社員の皆さんにもブランドや消費者目線というのを考えていただけるようになったと思っています。

カースレンタカー那覇空港店

カースタに染め上げられたカースタレンタカー那覇空港店

   今では当たり前になっているSNSの活用も、当時は会社で運用することを、認可してもらうのも大変でしたね(笑)

カースタが出来て4年目になりますが、今ではレンタカー、個人向けリース、パーキングと3つの事業が走っています。
これからもカースタを通じて、消費者の方々により良いサービス・暮らしが提供できると嬉しいです。

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