執行役員 電力・ユーティリティ部門部門長(兼)リテールビジネス室長 執行役員 電力・ユーティリティ部門部門長(兼)リテールビジネス室長

執行役員
電力・ユーティリティ部門長

1974年生まれ。佐賀県佐賀市出身。大学卒業後、1997年伊藤忠燃料(現伊藤忠エネクス)に入社。
2014年、カーライフ部門統括部長、2016年、九州エナジー(株) 常務取締役。2018年、エネクスライフサービス代表取締役社長を経て2021年4月より、現職。趣味はウェイトトレーニングとドラム。休日はメタリカの曲を叩くことでストレス発散している。好きなお酒はハイボール。

インタビュー

昨今の世の中の動き(SDGs等の環境に対する規制や取り組み)をどう見ていますか?

田中:個人としても非常に興味深く見守っていますし、会社としても最大限の関心をもって取り組んでいくべきだと考えています。特に石油製品を中心にビジネス展開をしている我々にとって、切っても切り離せない問題ですし、時代の趨勢として受け入れ、変わっていく必要がありますね。

一方、江戸時代から多くのエネルギーを自然由来のものに頼ってきた日本は、もともと循環型社会的な優れたエコシステムを持っていました。これはもっと誇るべきですよ。

水や木の特性を活かしながらゼロエネルギーで夏の涼をとったり、着物を徹底的にリサイクルしたり、これは日本人のDNAに刻まれた環境に対する意識・考え方の表れだったりすると考えています。いわゆる「もったいない精神」ですね。その意識や考え方を上手く応用すれば、日本は世界をリードする環境大国になれると思っています。

また、大きな時代の変化として、「作り手の時代」から「消費者の時代」に変わったというのがありますよね。消費者が「自ら選ぶ」という行為自体に価値を見出すようになったと感じます。ひと昔前みたいに、皆が同じものを買うってことはしなくなりましたよね。

食生活も、生き方も、エネルギーもそう。100%再生可能エネルギーで発電した電気を選んで買って使用することも出来る時代になりました。選ぶことで自分の生き方や考え方を表現し、それが周囲に対してのメッセージにもなる。そういう意味でも、ただ提供するのではなく、消費者のニーズに応えることで”選ばれる企業”になっていく必要があると思います。

インタビューに答える田中文弥さんの写真

そんな時代の中、伊藤忠エネクスとして、社会に対してどう関わっていくべきだと考えていますか?

田中:これまで通りにはいかない。むしろ殆ど同じビジネスモデルで半世紀以上、会社が続いてきたこと自体が奇跡みたいなものです。エネクスとしても、会社の在り方や存在意義を模索していく必要があるでしょうね。具体的なキーワードは4つ。「環境」「顧客」「レジリエンス」そして「電化」です。それに沿いながら、もちろん今以上に、海外への積極的な進出・投資も行っていきます。

環境については、前述したような時代に合わせたビジネスをPU部門だけではなくIB部門でも展開しています。アドブルー・GTLといった環境負荷を軽減する商材の販売や、水素やアンモニアといったCO2フリー燃料の活用についても、協業先との取り組みや実証実験等を通じて、積極的に模索していきます。

2つ目は、販売店様や代理店様、そして系列販社と我々が、協力しながら半世紀以上かけて作り上げた地域ネットワークと、それに紐づくエンドユーザーの顧客基盤です。ガスや電気、ガソリンをはじめ、モビリティ事業に至るまで数百万規模の顧客基盤があり、ビジネスモデルやサービスは何であれ、このお客様に対して、我々が選ばれるような新しい価値の提供を出来るかが、極めて重要なポイントになっていくと思います。

3つ目は、レジリエンス。 日本のエネルギーの在り方を根本的に変えた東日本大震災から今年で10年になりますが、未来に起こり得る災害からの復旧や復元力を高めていく必要がある。我々としても、その部分で新たな価値提供が出来るのではないかと思っています。

その1つが、今年の3月にリリースしたHL部門の「ソフトバンクとの協業」だったり、PU部門で進めている、自家消費型太陽光発電を中心とした地産地消型エネルギーの提案です。災害が発生し、電力会社からの電力供給がストップしても、設置した太陽光パネルで発電し、その電力を使う。蓄電池を組み合わせることも出来ますし、家庭の場合は電気自動車に電気を貯めることで、さらに災害に対する対策の幅が広がります。日産ディーラーをグループに持つ我々にとって、この部分も強みになると考えています。

インタビューに答える田中文弥さんの写真

   そして最後が、電化です。
簡単に言うと、ガスやガソリンなどの燃料を電気に置き換えることです。 オール電化住宅や、電気自動車などが分かりやすい例ですね。これは世界的な潮流ですから、電化は大きく進むでしょう。同時に、石炭や原子力などによる発電のやり方、これに再生可能エネルギーを具体的にどう組み合わせてゆくかという点。更にはIT技術を活用した電気の効率性向上。つまり「電気の貯め方や出し方」なども非常に重要になってくると思います。

電化に関する技術や、それを生かしたイノベーションは我々の社会を大きく変容させる可能性がある、ということです。
我々が既に持っている様々な機能やサービス、そして現在開発段階にある機能やサービスが、電化社会に大きく貢献できる余地は十分にあると考えています。 この4つのキーワードをもとに、社会や消費者に対して新しい価値の提供が出来るかどうか、具体的にそして素早く出来るかどうかが今後のカギになると考えています。

田中さんから見た伊藤忠エネクスの魅力を教えてください。

田中:「自分の力で会社を変え、会社を通して世の中を変えていけること」ですかね。社会そのものが転換期を迎えているいま、エネルギーや環境ビジネスを通して、自分の思い描いた未来を創造していけること。そこがエネクスの最大の魅力だと思います。また、社員数は600人程度と決して多くはありません。組織の形もシンプルですから、その分、動きやすいし、意見も通りやすいですね。

また、エネルギーや環境を取り巻く変化や技術の進歩は、とどまることを知らないので、完成していないスポーツをしている感覚に近いと思います。 ルールそのものを自分たちの手で作っていける。その中でどう考えて行動し、自分たちの理想の未来をデザインしていけるか。大変なこともありますが、非常にやりがいのある仕事が出来る会社だと思っています。

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これから入社してくる方・エネクスを志望している方へメッセージをお願いします。

田中:自分自身の「考えや表現」に制限をかけない勇気を持ってほしい。これ、結構難しいですよ。就職活動をしていく中で、周囲の人たちと同じ形や色に揃えられていくと感じられることもあるかも知れません。いわゆる「普通」を求められているように感じられる。でも、それは表面的な問題に過ぎない。時代が変わっていく中で、新たな価値観をリードすることは、いわゆる普通の人には出来ない。これこそ勇気がないと出来ない。起業も良いでしょう。しかし、会社って「器」を使いながら、世の中に大きな影響を与えてゆくこと。これがある意味、会社員の醍醐味ですよ。

2つ目は、世の中を良くすることに真摯であって欲しいということ。エネクスは生活インフラを支えるビジネスを生業としており、時代や世の中の価値観が変わっても、それが変わることはありません。世の中のために、人々の豊かな暮らしのために仕事をする。これはエネクスの創業以来、受け継がれてきたDNAです。これから入社をしてくる方にも、同じような想いを持ってほしいですね。

最後に。「そう思うのなら、そうしたいのなら、昼間に人の前で主張せよ」ってことです。部下にはいつもそう言っています。そもそも、黙っていたって何も始まらない。互いの意見や価値観のぶつかり合い、批評だってそうです。非常に大事なんですよ。だからこそ、勇気を出して正々堂々と行うべき。エネクスにはそれを受け入れる土壌があると思いますね。

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