気候変動(TCFD提言に基づく情報開示)
●気候変動に関する考え方
エネクスグループは、経営理念「社会とくらしのパートナー~エネルギーと共に・車と共に・家庭と共に~」のもと、半世紀以上にわたり安定的にエネルギーとサービスをみなさまにお届けしてまいりました。急速に進む脱炭素社会への潮流にも対応すべく、環境ビジネスや次世代エネルギーにも早くから着手しており、2021年に「サステナビリティ方針」を策定し、さらに優先的に取り組むべき重要課題の一つとして“気候変動への対応“を特定いたしました。グループ全体で中長期的にサステナビリティ課題の解決に向けた取り組みを加速し、脱炭素社会の実現に貢献するアクションプランを実行しております。
そしてエネクスグループでは、気候関連財務情報開示の重要性を認識し、TCFD※提言への賛同を表明いたしました。またTCFD提言の考え方に基づき、気候変動が事業活動に与えるリスクならびに機会を抽出し、シナリオ分析を行い開示しています。今後も経営戦略として気候変動への対応を新たな事業機会と捉え、継続的に取組みを強化してまいります。なお、TCFD提言に基づく開示は適宜見直しを図り(直近・2024年6月改訂)、今後も適切な開示を行ってまいります。
※ TCFDとは、G20の要請を受け、金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討するため設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related FinancialDisclosures)」を指します。
●気候変動ガバナンス
伊藤忠エネクスでは、気候変動に関わるリスク・機会への対応方針や温室効果ガスの削減目標・取組み等の気候変動問題について、気候変動関連を含むサステナビリティ全般の審議を行うサステナビリティ委員会で議論しております。委員長は業務執行取締役が務め、重要な事項については適宜、取締役会に報告する等、経営の重要なテーマとして取締役会による監視体制が図られる運用を行っております。
(気候変動に関わるガバナンス体制 2024年4月1日時点)●気候変動戦略
エネクスグループは気候変動に伴う様々なリスク・機会を事業戦略策定上の重要な観点の一つとして捉えております。気候変動の影響につきましては、事業計画を策定するにあたり中長期的視野をふまえた検討を反映させてまいります。
※TCFD開示に基づく開示は、こちらをご覧ください。●気候変動リスク管理
当社では、全社のリスクマネジメント体制のもと、経営と事業への影響が大きいリスクを重点リスクとして、経営の諮問機関であるリスクマネジメント委員会で識別・評価しております。気候変動リスク及び機会については、サステナビリティ委員会が中心となり、リスク・機会の双方の議論並びにモニタリングを実施し、戦略策定・個別事業運営の両面で審議のうえ、主には経営会議で議論し、必要に応じて取締役会にも報告する体制を構築しています。
●指標と目標
エネクスグループはGHG排出量の削減について、エネクスグループが排出するGHGを2030年50%減(2018年度比)、2050年カーボンニュートラルを目標にしております。また、サプライチェーン全体の排出量の削減と当社事業を通じた社会全体のGHG排出量の削減に貢献し、オフセットゼロを目指してまいります。
今後、毎期GHG排出量削減に関して進捗管理を行い、取締役会へ報告後、進捗状況を開示いたします。
2030 | 2050 | |
Scope1 + Scope2 (自ら排出GHG) |
50%削減 | カーボンニュートラル |
Scope3 及び社会全体への貢献 |
サプライチェーン排出量の削減及び事業を通じて 社会全体のGHG排出量の削減に貢献し、オフセットゼロを目指します |
※GHG排出量は、環境関連データをご覧ください。
●グループ内での取組み
・物流業務における環境負荷軽減(特定荷主としての責任)
改正省エネルギー法において、特定荷主に指定された当社は、同法を遵守して2008年度より年1回、省エネルギー計画と実績を主務大臣に報告するとともに、エネルギー消費量を中長期的に原単位で年平均1%以上削減すること目指してCO2排出量の削減計画を立案・実行しています。
・エコオフィス活動による省エネ推進
当社本社(東京都千代田区霞が関ビル27階~29階)は東京都による「特定テナント等事業者における地球温暖化の対策に係る取組評価」において、2022年に引き続き、2023年も「AAA」評価を獲得しました。これは東京都がビル管理者と協力しオフィス内で省エネ対策の体制・取組が優れたテナントを6段階で評価するもので、AAA評価は上から二番目の評価となります。本社だけでなく、全事業所においてもエコオフィス活動を推進しています。
・自らの環境負荷低減(自社事業所で太陽光発電やGTLを導入)
伊藤忠エネクス/袖ケ浦アスファルト基地やグループ会社(エネクスフリート㈱)の直営カーライフステーションで、屋根に太陽光発電設備を設置したほか、アスファルト基地のボイラーで使用する燃料を重油から環境負荷の低いGTLに転換する等、環境負荷低減策を実行しています。
●外部との取組み
・TCFDコンソーシアムへの参加
TCFD提言に賛同する企業や金融機関等の間で議論する場として経済産業省、環境省、金融庁が設立した「TCFDコンソーシアム」にも参加しています。
・Green x Digital コンソーシアムへの参加
環境関連分野のデジタル化や新たなビジネスモデルの創出等に係る取り組みを通じて、我が国の産業・社会の全体最適を図ることで、2050年カーボンニュートラルの実現に寄与することを目的とした「Green x Digital コンソーシアム」に参加しています。
・CDP(気候変動)への回答
当社は様々なステークホルダーに対しサステナビリティに関する取り組みについて積極的な情報発信を行っています。その一環でグローバルスタンダードとして全世界で広く認知されているNGOであるCDPに参加し、2019年度から気候変動の質問書に回答しています。